「知らない人に話しかけられてもついてっちゃいけません」
というのは子供のころによく言われました。
今はもう性別問わず知らない人と話しちゃあかんみたいな雰囲気ですよね。
朝挨拶しても無視されるなんてこともザラです。
イヤホンしてなくてもね。
ということでもちろん私ももういい大人。
気持ちとしてはまだ20代だけど、子ども達から見たらただのオバハンでしょう。
知らない子に話しかけるなんてことはないのですが、
困ってる子を見かけると距離を開けて話しかけてしまうのです。
今からお話するのは数カ月前だったか去年だったかの夜に会った小学生男子のお話。
あれは私が夜8時か9時だったか、とにかく夜の時間帯に「これから帰ろう」と駅に向かっているときのことでした。
タタタっと走って来た男の子が信号で止まりました。
赤信号なので私も止まっています。
「こんな時間まで塾だったのかな、小さいのに大変だな」と思ってフと視線をやると、その男の子が背負っている塾のリュックが開いているじゃありませんか。
とはいえ、小学生男子を襲ってお金を巻き上げるような輩もいないと思われる土地だったので、「あらあら」なんて思っただけで何をするわけでもなかったのです。
が、青信号になった途端に、その子がまた走りだすと、リュックがパタパタと開いて、中身が見えるじゃないの。
「おいおい、中身落ちそうじゃん」と思ったけれど、小走りで行っちゃったし、まあいいかと見送ったのです。
しかし小学生の男の子はちょっと前から走って来ていたのか、数メートル走ったところで走るのをやめて歩き出しました。
するとやっぱり私の方が歩幅があるので追いついちゃったんですよね。
なので、遠くから「ねえ、リュック開いてるよ。閉めた方がいいんじゃない?」と声をかけました。
一応周りには人の往来もあったし、1mくらい離れたところから話しかけたけど。
小学生の男子、ちょっとびっくり顔でした( ̄▽ ̄;)
ビビらせてごめんね。
でもおそるおそるリュックを下ろすと、足元にベシャっと置き、
ちゃんとファスナーを閉めて、リュックを背負い直してました。
これでもう走っても中身が落ちることはなさそう。
小学生男子は無言でまた小走りで走って行きました。
いいんだ、お礼なんて言われなくても、あの子が無事に帰宅できれば。
それと、今度からはちゃんとリュックしめてから塾出て来てね。
でもこういう声かけもやめたほうがいいのかな、とも思います。